信州の渓流へ

春本番の四月下旬、学生時代の旧友と信州の渓流へ向かった。
行き先は乗鞍高原で、標高1400mを流れる清流でイワナを狙っての釣行だ。
午前3時、車で出発。吹田インターから松本インターまで約5時間、料金は ETCの休日割引で1600円と大変ありがたい。

車は梓川沿いに高度を上げ、上高地の少し手前を乗鞍高原へ左折。
寒気が流れ込んだ模様で雨が雪に変わり、山も谷も白い世界となってしまい、 やっと釣場に到着した。早速釣り支度をして川に出てみると、雪代が流れ込み 激流となっている。餌さは天然川虫のギンパク、短めのチョウチン仕掛で岩裏へ流し込んでも、冷え込んだせいで魚信は全く出ない……
釣友も早々とこの川を見切り、何処で竿を出すかの相談となってしまった。

悩んだあげく、雪の影響もなく、水温も安定するダム下の梓川まで戻る事となった。
釣場は、瀬あり、淵あり、トロ場ありの好ポイントで、7.0mの長竿で釣る事にした。
ギンパクを流すが、アタリは出ない。雪代でダムの水も少し白く濁っていて、魚にとっても餌さを見つけにくい状況なのだろう……
餌さを良く目立つブドウ虫に換えて流したとたん、この日初めてのアタリが出た。
軽く合わすと魚の動きが伝わって来て引き寄せると、急に動きが止まってしまった。 重く動かない…… 大物だ! 竿はゼロ釣法の軟調で大きく円を描いているが、魚影は悠々と泳いでいるだけで寄せる事が出来ず30分のやり取りとなる。釣友のアドバイスで取り込みやすい下の浅瀬へ流し込み、やっとタモに入ったのは40cmオーバーのブラウントラウトだった。大物に感激し、皆で記念撮影。獲物はカメラへ収めてリリースとした。 その後もアタリは続き釣友が40cmの大岩魚。私が良型のブラウンを追加して納竿となった。

今夜の宿は高原へ戻り、乳白色の露天風呂で評判の仙山乗鞍さんのお世話になる。 今日の獲物も炭火で焼いて下さり、地酒や高原の山菜もとっても美味しく思い出に残る一夜となった。

二日目の朝は快晴、しかし気温は0度と冷え込んでいる為、高原の釣りはあきらめ、思い切って魚影の濃い岐阜の庄川まで移動する事とした。奥飛騨を抜け高山から高速道路で白川郷へ。こちらは世界文化遺産の合掌造りの集落として有名だが、渓流釣場としても人気があり、本流の釣りが楽しめる。こちらも雪代で濁りが入っているのでブドウ虫で流してみると20cmオーバーのニジマスが掛かって来た。釣友も同型をキープ

しかしヤマメの姿は見る事が出来ないので移動し、村の中で竿を出す事にした。 この辺りは放流量も多く良い釣りが出来るらしい。日も傾きだしたので今回の釣行の最終ポイントとなった。 アタリは出るがなかなか乗らない。餌さは取られる…..多くの釣り人に攻められているせいか大変難しい釣りとなってしまった。気持ちを集中させ、目印を立て安定させて流すとやっと喰いアタリが出た。上へ、下へとよく走り寄って来たのは25cmのニジマスだった。その後良型のヤマメも釣り上げる事が出来、夕刻の納竿となった。

信州の渓流へ
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信州の渓流へ

関西と比べると渓相の良い川が多く、魚影も濃い。ちょっと遠いが旅気分で釣りを楽しむにはお勧めです。食べ切れない魚はリリースし、大自然に感謝して釣りを楽しみたいと思います。 釣りを通しての仲間とのふれ合いもありがたい物となりました。

2009年4月 フィッシングエイト 中井

信州の渓流へ

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