エサ一番・エイトグループ

113センチの大物GETに玲子さんも大興奮 モンスターに挑戦!

それもそのはず、関西、特に大阪、兵庫では当たり前のように使われているタチウオテンヤ仕かけは、全国的に見るとかなりマニアック。昨年はじめて仕かけを見た玲子さんは「こんなのでどうやって釣るの?」とかなり驚いたようすだったのが印象に残っている。

当日の潮は大潮で「タチウオ釣りには1番悪い」とは船頭の話。タチウオは小潮周りのほうがよく釣れる。

期待と不安が交錯した1流し目。「釣れたよ!」とミヨシで歓声が上がる。60センチ級の小型ながら当日最初の1尾が上がった。すると次はトモから歓声。こちらは80センチ級のまずまずのサイズ。その後も船中のあちらこちらで「コツコツ」「クックッ」とアタリはあるが、食いが渋いのか、タチウオが小さいのか?エサだけをかじられる。もしくはアタリがあってもエサは無傷といった状態が続く。

そんな均衡を破ったのは玲子さん。「ゆっくり巻きながら、アタリがなかったらちょっと誘いをいれてや」との船頭のアドバイスがよかったのか、竿が気持ちよく半月を描く。


上がってきたのは80センチ級のまずまずのタチウオ。「釣れちゃいました!」と笑顔がこぼれる。アタリのタナは水深40メートル付近。底付近から追いかけてくる場合もあるので、一概には言えないが、水深のあるポイントでは釣れているタナを重点的に攻めることが釣果アップにつながる。

さてポイントを移動した9時過ぎ、右舷で竿を出していた釣り人が勢いよくアワセを入れた。

「グングン」と大物を思わせる強烈な引き。上がってきたのは98.5センチのタチウオ。メーターまであと少しの良型。

このクラスになると迫力も満点だ。

最初の1尾を釣った後は、ほかの釣り人の応援などで竿を置いていた玲子さんも「やっぱり大きいの釣りたいな」と竿を持ち直し、仕かけを投入。仕かけを底まで落としてから、ゆっくりと誘いあげるといきなり「ガツンッ」。

「きた!これは大きいかも?」と玲子さん。「グュイーン」と大型を思わせる豪快な引きに、竿先が水面に突き刺さる。

強引を必死にこらえながらも、さすがは玲子さん冷静に竿を起こし、電動リールの巻上げスイッチをON。

「これは大きいで!、頑張って上げてや!!」と船頭や周りの掛け声が飛び交う。

船頭、アシスタント、記者、その他多くの釣り人が「バレてくれるなよ!」と竿先を見つめる。


タチウオテンヤ釣りでは巻き上げ途中でバレることがしばしばある。下アゴから上に針が掛かれば、まずバレることはないが針が掛かる場所によっては身切れなどでバレてしまうのだ。

そんな心配をよそに竿は大きく半月を描いたまま、リールの巻上げ音だけが響く。残り20メートル、残り10メートル。 みんなの視線が水面に集まる。「やったー!」銀色に輝く美しい魚体が水面にギラリと姿を現した。「デカイぞ!」「テンションを緩めずに竿を立てて!」「いっきに抜き上げるでー!」

ベテランのアシスタントが豪快に引き抜いた銀色の魚体は、見事な放物線を描いて船内に飛び込んだ。「大きいぞ!メーターはゆうにあるぞ」この日一番の歓声が船中に響きわたる。サイズはメーターオーバーの113センチほかとは違う狂暴な顔つき、指6本級の体高、身の分厚さ、どれをとっても迫力満点。まぎれもなくモンスター級だ。  「やった!釣れちゃった!!」とさすがの玲子さんも大興奮。

当日はその後もコンスタントに釣れ続き、11時過ぎに沖上がり。ほかの地域のタチウオ釣りに比べて仕かけがシンプルでアタリ、引きがダイレクトに伝わるし、誘い、合わせるタイミングも状況によってさまざま」。「すごく面白い釣りですね」と玲子さんもタチウオ釣りの面白さにどっぷりハマッたようす。最盛期に入った大阪湾のタチウオ。まだまだ12月初旬まで楽しめそうですよ。

2006年11月6日号 釣場速報掲載

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